「高気密高断熱住宅だから、夏場もエアコン1台で快適だ」
そう勘違いしている人いませんか?たしかに、日射遮蔽や遮熱をしっかりしている家であればそうでしょう。ただ、日射がモロに入りこんでくる家の場合は、高断熱住宅であってもめちゃくちゃ暑い!そういう失敗談もありますよね(苦笑)。このように、意外と「断熱」と「遮熱」を混同している人が多いようです。
「断熱」と「遮熱」とはなにか?
断熱とは、壁の内部を伝わっていく熱の量を小さくすることです。それに対して、遮熱とは日射を吸収しないように反射することや、日射を吸収した結果、温度の高くなった面から出る輻射熱が室内に入らないようにすることを意味します。
とくに夏は「遮熱」が大切
前回の実験「断熱材の断熱効果を調べる【実験動画】」のように、断熱材だけでは太陽光(輻射)の熱を小さくすることしかできません。さらに、透明な壁、つまり窓ガラスは断熱性があっても日射を遮りませんから、直接の熱と室内の天井壁床の温度が上昇して室内温度が上がる。だから、日射対策をしていなければ、断熱性能が高い家でも「めちゃくちゃ暑い、エアコンがなかなか冷えない(汗)」という現象が起きてしまう訳ですね。つまり、高気密高断熱なのに、なぜか夏場の光熱費が下がらない!というのは遮熱ができていない可能性があります。
とはいえ、せっかく大きな窓にしたのに、夏場はカーテン閉めっぱなし……。
意外とこういう家が多いように思います(笑)。
みるからに、大窓側に軒(のき)がなく、日射遮蔽できてないじゃん!?みたいな(笑)。これだと、モロに日射が入るので日中はカーテンが必需品です。景色とつながれる開放的な空間のはずだったのに……。そう考えると、とても残念。
そこで考えられる対策が遮熱シートを貼りましょう。
ということになるかと思いますが。これもあまり個人的にはおすすめできません。とくに、高気密高断熱住宅の場合は、冬場の日射のおかげで、室内温度を保てるという考え方がありますから。遮熱するとその分、熱をいれることができません。ということになります。もちろん、冬場の光熱費にも影響がでますよね。
じゃあ、どうすればよいの?日射の対策。
結論から言えば、一番のよいのは、日射遮蔽を考えられるパッシブデザインを得意とする建築会社さんにお願いすることでしょう。
と言えば普通の回答で終わり。ですが(笑)。
より冷房効率を考えるのであれば、内装材にも熱反射(遮熱)の違いがあることを知っているとよいでしょう。なぜなら、日射はどう頑張っても100%防げるものではありません。前述した通り、室内温度上昇の要因には「日射による壁天井床の温度」がありました。その仕組みを考えた場合「壁天井床の内装材の温度が上がらなければいいんじゃない?」そう捉えることもできる訳です。
ここで、実験です(やっと 笑)。
ここでは、素材によって「熱反射(遮熱)」が違う。ということを確認していきます。3種類(「合板フローリング」「桐」「オーク無垢材」)を用意しました。シンプルに直射日光に25分間晒します。5分毎に表面温度を測定します。
【測定日:9/6 気温 27.4℃ (屋外のため、風の影響あり)】
開始直後
5分後
10分後
15分後
20分後
25分後
【結果】
【この実験動画はこちら】
【まとめ】
結果より、素材によって「熱反射(遮熱)」が違うことが分かりました。しかも、これだけ温度差があるという事実(笑)。つまり、どうしても入ってくる日射にたいして、内装材にも熱反射(遮熱)があることを知っていれば、より冷房効率も望めるということではないでしょうか? さらに、桐は断熱性能も非常に優れた素材です。夏も冬もいけちゃう(笑)。優れものというお話でした。
「桐床を使いたい」そう考えている人にお伝えしたいこと。
桐床をご検討いただきありがとうございます。
最近、お客様ご自身で床材を指定していただき家づくりをはじめられる機会を多くいただくことがあります。
しかし、桐の特性上、キズが付きやすい側面があります。
そのため、桐のこのデメリットの部分しか認識のない建築会社が、施工後のトラブル回避のため、打ち合わせ時に他のフローリングを勧めてくるというケースが発生しております。そのことにつきましては桐の特性上の問題もありますので、桐から得られるメリット・デメリットをしっかり比較、ご検討いただきご判断をお願いいたします。しかし「利益率の問題で他のフローリングに変更を勧める建築会社がある」とご相談をいただく事例がありました。その場合はもちろん決裁権はお客様ご自身にあります。もし、そのようなケースでお困りなことがありましたら、ご連絡ください。弊社にて対応いたします。
また、このようなトラブルが起こる大きな原因として、桐に対する建築会社の知識不足の問題があげられます。ご心配な方は打ち合わせ前に弊社までご相談ください。対処方法、または事前に指定の建築会社様へ取り扱い方法などを弊社からお伝えすることも可能です。お気軽にご連絡ください。