先日、少し面白い(嬉しい)ご相談をいただきました。
ご相談者様より許可をいただき、以下内容を記事させて頂きます。
今回は「桐の家、築18年。桐で変わる暮らしをWEBで見学。」を見た。というお客様(K様)から「本当に効果があるんですか?」というご連絡をいただき、ちょうど、新潟市に在住していたということもあり、実際に体感したほうが早いと言うことで見学をして頂いたときのお話しです。
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当初、お電話では「パインの床がボロボロで張り替えを考えている(K様)」とのことで、動画を見て「本当に効果があるなら桐も考えたい」という経緯からのお電話でした。
そして、新潟市にお住まいということもあり、桐の家を見学していただく運びに。やはり、体験していただくことが一番分かりやすかったようで。
「本当にすごいですね(K様)」と、とくに桐の断熱効果(冷房効率)に驚かれていました。
そして、後日、K様より改めて質問いただいた内容がとても面白く。
個人としても、桐の性能をよく理解いただいた、嬉しい質問でした。
その内容が以下。
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先日は見学させていただき、ありがとうございました。
桐のちからがすごい。と純粋に感じました。
と、質問ですが、私の家のリビングが
このような感じの作りで、現在26℃設定なのですが、ずっと(室内温度)30℃から下がりません。
(これが普通だと思ってました)
桐の家みたいに、するにはどうすればいいですか?
たとえば、床以外に桐を使ったほうがよいでしょうか?
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K様からのご連絡一文
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つまり、K様は通常の床張り替えから、桐を体感いただき、桐の断熱性能を活かして「冷暖房効率を上げたい」という考えに切り替わったということですね。
このように「桐のちからを活かしたい」ということをお客様に感じてもらえることが私たちのやりがいでもありますので非常に嬉しい出来事でした。(感謝)
(桐の使い方としては、この考えがまさに理想的だと思います。正直、内装材の選択肢は無数にあります。しかし、性能という観点で見れば、圧倒的な違いを感じてもらえるのが桐だと思います。)
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ということで、K様には次のようなアドバイスをさせていただきました。
――桐をどこに使うかを考える。
まず、K様からのご相談の趣旨として「冷暖房効率を上げる」ということが目的です。
そう考えた場合、これだけスペースがあり天井高の吹き抜け構造のリビングを床だけで断熱をしようと考えた場合は少し不安がのこるところでした。もちろん、四方を桐にすることが理想的ではありますが、現状の空間美や予算など現実性を考えると「床と天井に桐」でも効果が期待できるかと思います。
――なぜ、床と天井で効果が期待できるのか?
そもそも、冷暖房の仕組みとは、まず、エアコンが、床、天井、壁という内装材の温度を整えてから、室内温度が変化を始めます。つまり、内装材の断熱性能と熱伝導率で、冷暖房効率が大きく変わってきます。
例えば、K様邸の場合でいえば、床がパイン材、壁がクロス、天井はベニア板になっています。
その、どの素材も断熱効果は期待できませんので、冷気がいつまでも室内に留まらないということが原因の一つでもあります。また、ふたつ目の原因としては、熱伝導率が高い素材である点です。内装材の熱伝導率が高い場合は、壁の内側に溜まった熱が熱伝導率が高い内装材の素材を通して、いつまでも熱を室内に伝え続ける現象が起こります。このため、エアコンの冷房がいつまでも内装材を冷やすことができず、温度も下がらない。そういう仕組みということです。
では、なぜ、床と天井に桐をお勧めしたかといえば、熱は床下と天井裏に溜まりやすい性質があるためです。これは、冷気と暖気の重量性質上の問題です(冷気は重く、暖気は軽い)。つまり、床と天井に桐を使用した場合、部屋の中、構造内部の冷暖気を断熱し、さらには熱伝導率が低いため、素材を通して熱を伝えない効果が期待できます。そうなると、エアコンから出てくる熱がそのまま部屋の温度を管理することになり、窓からの日差し以外にほぼ温度変化を起こさない室内環境が実現できることになります。(クロス壁から熱が漏れ多少の温度上々が起こるかと思います。)
――これは、高気密高断熱の家でも応用はできる考え方
実は高気密高断熱住宅でも桐の「熱伝導率」を活かせば、さらに冷暖房効率をあげることが可能になります。つまり、前述したとおり、基本的に他の内装材は断熱も熱伝導率も意識して作られてはいません。例えば、高気密高断熱住宅だとしても、それはあくまで外気熱と部屋の熱を断熱する構造であり、構造内部の熱は存在します。つまり、内装材の断熱と熱伝導率の効果次第でより冷暖房効率は上がるということです。
具体例をあげれば、高気密高断熱住宅でも、時折、エアコンが頑張っている音「ウォーン」と唸るときがあるかと思います。これは、室内温度が変化したために調整する頑張り音ですね(笑)。それは、内装材が壁内部の熱を通したため室内気温が変化したということです。つまり、内装材の性能も意識して選ぶことだできれば、より冷暖房効率を上げることが可能という訳です。ちなみに、K様が驚かれた、四方を桐の内装材で作られた桐の家のエアコン設定は28℃で、25℃まで下がります。これは内装材の熱で室内の温度変化が起こらないからこその不思議現象なのですが。この話はまた次回。もちろん、桐の家のエアコンは「ウォーン」とは唸りません(笑)。
「桐床を使いたい」そう考えている人にお伝えしたいこと。
桐床をご検討いただきありがとうございます。
最近、お客様ご自身で床材を指定していただき家づくりをはじめられる機会を多くいただくことがあります。
しかし、桐の特性上、キズが付きやすい側面があります。
そのため、桐のこのデメリットの部分しか認識のない建築会社が、施工後のトラブル回避のため、打ち合わせ時に他のフローリングを勧めてくるというケースが発生しております。そのことにつきましては桐の特性上の問題もありますので、桐から得られるメリット・デメリットをしっかり比較、ご検討いただきご判断をお願いいたします。しかし「利益率の問題で他のフローリングに変更を勧める建築会社がある」とご相談をいただく事例がありました。その場合はもちろん決裁権はお客様ご自身にあります。もし、そのようなケースでお困りなことがありましたら、ご連絡ください。弊社にて対応いたします。
また、このようなトラブルが起こる大きな原因として、桐に対する建築会社の知識不足の問題があげられます。ご心配な方は打ち合わせ前に弊社までご相談ください。対処方法、または事前に指定の建築会社様へ取り扱い方法などを弊社からお伝えすることも可能です。お気軽にご連絡ください。