前回の「『よりエコな暮らし』断熱材から考える。」で知らなかったコト。「断熱材は輻射熱の熱を通す!?」について個人的に実験してみました。
「どうやったら断熱性能をあげられるだろう?」そんな人のヒントになるかと思います。
【前回の疑惑】
断熱材は「伝導熱移動、対流熱移動」には対応しているが、「輻射熱移動」には対応していない?
【実験目的】
はたして、本当に「輻射熱」の熱に対応していないのか?について調べる。
【断熱材】
・スタイロフォーム20mm(押出発泡ポリスチレン) 熱伝導率:0.032W/(m•k)
ちなみに、熱伝導率は数値が低いほど断熱効果が高いです。
その他 主な建材資材の熱伝導率 | (W/m•k) |
グラスウール | 0.05~0.036 |
高性能グラスウール | 0.038~0.036 |
吹込み用グラスウール | 0.051~0.047 |
押出法ポリスチレンフォーム(今回はこれを使用) | 0.04~0.028 |
硬質ウレタンフォーム | 0.025~0.023 |
【輻射熱の熱源】
・電気ストーブ(400W設定)
【検証結果】
ある程度「断熱」をしていましたが、完全に「断」をしている訳ではないことが確認できました。
【ここで大切なポイント】
太陽光の熱は「輻射熱」です。
そして、真夏など日差しが強い日中の屋根や外壁は平気で80℃になります。
そう考えると、どんな高性能な断熱材を使っていたとしても少なからず輻射熱は室内温度に影響を及ぼしていると考えられますね。
じゃあ、対処法は? となると、断熱材のランクを上げる、もしくは厚みを増すか、遮熱シートを使うか。ここらへんが一般的な解答かもしれませんが。きちんと、内装材の「熱伝導率」のことも理解している人であればそうはならないでしょう(笑)。なぜなら。断熱材や遮熱シートを採用する費用に比べれば、圧倒的にコスパが良いですからね。ちなみに、桐の熱伝導率は「0.063kcal/mh℃(W/m•kに換算すると0.073)」(新潟県工業技術総合研究所 調べ)です。そして、壁、天井によく使われる建材の熱伝導率の一覧はこちら。
床・壁・天井によく使われる | (W/m•k) |
石膏ボード (壁紙の下に使われる) | 0.22~0.6 |
合板(壁や天井に使われる) | 0.16 |
漆喰 | 0.7 |
(桐以外の)無垢材 | 0.12~0.2 |
畳床 | 0.11 |
Pタイル | 0.19 |
タイル | 1.3 |
コンクリート | 1.6 |
いかがでしょうか? あれだけ、断熱性能をあげよう!?みたいな昨今の建築業会ですが、意外と内装材の熱伝導率は置き去りにされている感じがしますよね(笑)。室内の、それも内装材の断熱性能をあげることは、もっとも効率的であると個人的には思っています。だって、冷暖房をするのは室内な訳ですから。「ちょっと、そこの暖気、ちょっとその冷気、内装材を通して行かないでよ」ってことじゃないですか(笑)。いくら、断熱材の性能が良いところで……。と感じるのは私だけでしょうか?というお話でした。
「桐床を使いたい」そう考えている人にお伝えしたいこと。
桐床をご検討いただきありがとうございます。
最近、お客様ご自身で床材を指定していただき家づくりをはじめられる機会を多くいただくことがあります。
しかし、桐の特性上、キズが付きやすい側面があります。
そのため、桐のこのデメリットの部分しか認識のない建築会社が、施工後のトラブル回避のため、打ち合わせ時に他のフローリングを勧めてくるというケースが発生しております。そのことにつきましては桐の特性上の問題もありますので、桐から得られるメリット・デメリットをしっかり比較、ご検討いただきご判断をお願いいたします。しかし「利益率の問題で他のフローリングに変更を勧める建築会社がある」とご相談をいただく事例がありました。その場合はもちろん決裁権はお客様ご自身にあります。もし、そのようなケースでお困りなことがありましたら、ご連絡ください。弊社にて対応いたします。
また、このようなトラブルが起こる大きな原因として、桐に対する建築会社の知識不足の問題があげられます。ご心配な方は打ち合わせ前に弊社までご相談ください。対処方法、または事前に指定の建築会社様へ取り扱い方法などを弊社からお伝えすることも可能です。お気軽にご連絡ください。