「よりエコな暮らし」断熱材から考える。

前回、ノー高気密高断熱な桐の家でも、その冷房性能(断熱性能)にお客様が驚いた「桐を使う「節約のためのリフォーム」相談がありました。」というお話しをしました。

そのなかで、「桐の家のエアコン設定は28℃で、室内温度が25℃まで下る。不思議な現象」と記述しました。

これは、その言葉の通り、不思議な現象です(笑)。

例えば、高気密高断熱住宅でも、パッシブハウスレベルの気密グレード(HEAT20 G3レベル)でない限りは難しい?(なぜ「?」かと言えば、HEAT20 G3の家を見た事ないからです(苦笑))自分の知る限りでは、高気密高断熱であっても、エアコン設定28℃で、室内温度がそれ以下に低くなる現象を知りません。

なぜか?これは、「熱移動の三原則」と「断熱材という素材」を知る事でその現象の仕組みが見えてきます。

ーーまず、断熱材は「断」ではなく「畜」である。

そもそも、高気密高断熱住宅でもよく使われる、グラスウール、発泡系断熱材の定義を調べると「熱伝播遅行型熱吸収素材」です。実は「断つ」ではなく「熱を蓄える」素材なんですね。仕組みでいえば、断熱材の厚みによって変わりますが、断熱材には蓄熱量が決まっています。つまり、その蓄熱量を超えれば熱を放出する訳ですから、天井、壁、床と熱が伝わり、室内温度に影響が出てしまう。

ーー熱移動の三原則「伝導熱移動・対流熱移動・輻射熱移動」その内、断熱材は輻射熱には対応しない。

そう言う、事実があるそうです(笑)。私も個人調べで参考までに記述します。調べたところによると、熱移動の建物への侵入率で言えば「伝導熱移動(5%)対流熱移動(20%)輻射熱移動(75%)」だそうで、その内、通常の断熱材の場合は「伝導熱移動(5%)対流熱移動(20%)」には対応しているが、「輻射熱移動(75%)」には対応していないそうです。私も知らぬことでしたので「え?断熱材、全然意味ないじゃん」という感想(笑)。ちなみに、欧米では輻射熱をカットする「遮熱材」が当たり前だそうです。

ーーつまりは、高気密高断熱でも熱は入ってくる可能性がある。

可能性というより、確実に入ってきてますね(笑)。つまり、私も不思議には思ってましたが、高気密高断熱住宅でも、外の熱は断熱材・壁を伝わり室内温度に影響することが分かりました。

ーーでは、なぜ、桐の家は「外の熱」の影響を受けないのか?

まずは、断熱材が蓄熱材だった件については、桐の熱伝導率が低いため、外(室内面)に熱が伝わらない。シンプルに断熱材を床、壁、天井にも貼っているイメージですね。そして、エアコンから出てくる熱は熱移動で言えば「対流」になるので、空気を多く含む桐の内装材が熱を弾き返します。

つまり、桐を内装材にすることで断熱材から放出する熱を通さず、エアコンの冷暖房熱を弾くため室内の冷暖房効率は「あがる」というということです。一方で、じゃあ、輻射熱は?と言われれば、それは今後の実験課題としか言えません(近日実験してみます)。

ただ、ひとつ言えることは、高気密高断熱住宅でなくても、外からの熱の影響を受けずにエアコンの温度だけが室内温度をコントロールしているという事実(笑)。…はたして、桐には遮熱効果もあるのかっ??

こんな感じで、今回は色々な角度から考える大切さを改めて感じました。そして、まだまだ、家を快適にできる可能性も感じました。皆さんはどう感じたでしょうか?今後の家づくりの参考にしていただけたら幸いです。では、また次回。

「桐床を使いたい」そう考えている人にお伝えしたいこと。

桐床をご検討いただきありがとうございます。

最近、お客様ご自身で床材を指定していただき家づくりをはじめられる機会を多くいただくことがあります。

しかし、桐の特性上、キズが付きやすい側面があります。

そのため、桐のこのデメリットの部分しか認識のない建築会社が、施工後のトラブル回避のため、打ち合わせ時に他のフローリングを勧めてくるというケースが発生しております。そのことにつきましては桐の特性上の問題もありますので、桐から得られるメリット・デメリットをしっかり比較、ご検討いただきご判断をお願いいたします。しかし「利益率の問題で他のフローリングに変更を勧める建築会社がある」とご相談をいただく事例がありました。その場合はもちろん決裁権はお客様ご自身にあります。もし、そのようなケースでお困りなことがありましたら、ご連絡ください。弊社にて対応いたします。

また、このようなトラブルが起こる大きな原因として、桐に対する建築会社の知識不足の問題があげられます。ご心配な方は打ち合わせ前に弊社までご相談ください。対処方法、または事前に指定の建築会社様へ取り扱い方法などを弊社からお伝えすることも可能です。お気軽にご連絡ください。

築18年、桐の家WEB見学
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